ブロックチェーンの仕組み ブロックチェーンの特徴とメリット

・銀行やカード会社を介さずに直接相手に送金できる
・送金手数料がほぼ無料
・取引時の仲介を省くことができる
・透明性の高い社会を構築できる

ブロックチェーンではこれらができるようになると言われていますが、何故このようなことが可能なのか?今回はその裏付けとなるブロックチェーンの仕組みについて解説します。


ブロックチェーンのデータ管理方法

※ブロックチェーンでは、通貨、証券、債券、証拠、証明書、ポイント、スタンプ、クーポン、権利、契約書など様々なものを記録することが可能です。今回は通貨の取引(AさんがBさんへ1000円を送金した)を例にご説明します。


ネットワーク内で発生した取引の記録(AさんからBさんへ1000円が送金された)はブロックの中に格納されます。ブロックの中身は、取引データと1つ前のブロックの内容(ハッシュ値)が記録されています。

※ハッシュ値とは
アルゴリズム計算(ハッシュ計算)により算出された一定量の情報をコンパクトにまとめたデータのこと。情報が少しでも変わるとハッシュ値は全く異なるものになる。

取引が行われる度にブロックは新しく生成され、取引データを格納したブロック同士は鎖(チェーン)のように繋がっています。これがブロックチェーンという名前の由来です。新しいブロックが生成されると過去のブロックに時系列に沿って繋がります。

ブロック同士を繋げたチェーンは取引が行われる限りどんどん伸びていきます。伸びたチェーンは誰か1人だけが保管するのではなく、ネットワークに参加する全員が同じチェーンをそれぞれのコンピューターで管理します。これが今までのデータベースにはなかった「ネットワーク共有型データベース」の仕組みです。
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ブロックチェーンの機能的特徴

データをブロックに格納し、そのブロック同士をチェーンで繋ぎユーザー全員で共有する。この仕組みによりブロックチェーンには以下4つの大きな特徴があります。


特徴1:非改ざん性

ブロックチェーンのデータは「セキュリティ性の高い1つの場所で保管」ではなく、ネットワークに参加する世界中の無数のコンピューターで保管されます。もしある1つのデータを改ざんしようとした場合、そのブロックに繋がる全てのブロックを改ざんする必要があります。ただでさえブロックは増え続けているのに関わらず、そのブロックが繋がるチェーンは1ヵ所ではなく世界中にあるわけですので、理論上は100%不可能ではないですが現実的に考えてブロックチェーンのデータを改ざんするのは99.9%不可能だと言われています。


特徴2:低コスト

従来のデータベースのように1つの場所で管理する場合、ブロックチェーンと同レベルのセキュリティを持たせるには高額な費用が必要です。ブロックチェーンはそのような集中型のデータベースではなく分散型データベースのため、1ヵ所だけを強化する必要がなく高額な費用をかけずに堅牢性を確保することが可能です。


特徴3:止まらない・落ちない

ブロックチェーンのデータは世界中の無数のコンピューターで保存しているので、それらが同時に壊れない限りデータベースが止まることはありません。もし1ヵ所でデータを保管していた場合、何らかのアクシデントで止まってしまったり、悪意ある攻撃を受けサーバーが落ちたりしてしまうと全体がストップしてしまいます。それが銀行のようなお金を扱う機関の場合は多くの人がパニックに陥いることになります。しかしブロックチェーンの場合は万が一アジア全体が停電になるような障害が起きたとしてもアジア以外にあるコンピューターが1つでも無事であれば問題ありません。データを分散型で保管することでリスクの分散化もできるというわけです。


特徴4:一度書き込まれたデータは編集不可

ブロックチェーンに一度書き込まれたデータは誰も変更したり削除することができません。暗号通貨でブロックチェーンを使っていた場合、暗号通貨の発行元となる組織でもデータを編集することは不可能です。


ブロックチェーンのメリット

「データの改ざんができない」、「低コスト」、「止まらない・落ちない」、「一度書き込まれたデータは変更も削除もできない」という特徴からブロックチェーンは以下のメリットがあります。


管理者不在でも動作する

ブロックチェーンは

・システムが壊れることなく永続的に稼働し続けられる
・一度書き込まれたデータを後から改ざんすることが不可能

この2点に特化したデータ保管場所です。

そのため、サービス事業者やシステムの管理者ですらデータの改ざんはもちろん、変更や削除ができません。だからこそブロックチェーンはお金(暗号通貨)のやり取りにも活用できるというわけです。


事業者の信用が低くても安心してサービスを利用できる

何度もいうようにブロックチェーンはサービスを提供している事業者でもシステム内のデータをいじることはできません。ブロックチェーン以外のシステムの場合では管理者は本気でデータを改ざんしようと思えば可能で、ユーザーもそれを承知で利用しています。ユーザーがそれでもサービスを利用するのはサービスを提供する事業者が大企業や公的機関、銀行といった信用できる機関だからです。

ブロックチェーンは「事業者が何者であろうが関係なく、そこに記録されたデータが真正であること」を保証するシステムです。お互いに信用できない者どうしの取引でも不正を心配することなく安心して取引できるというメリットがあります。



以上の特徴とメリットをまとめると、 「ブロックチェーンは第三者がいなくても信頼ある取引を可能にする」 ということになります。ですので個人間でも安心してお金のやり取りや契約を結ぶことができ、それによって余計な手数料や手間を減らすといった様々なメリットを生むというわけです。



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